日本人の13人に1人がLGBTだと推定されている。今年も3万人超のLGBTが、新卒で就職活動をしていることになる。一方で、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアルの4割、トランスジェンダーの7割が求職の際、セクシュアリティにまつわる困難を感じているという。いったい何が問題になっているのか。
「LGBTは想定されていない」
たとえば、エントリーシートの性別欄には、男と女しかない。
「トランスジェンダーの方であれば、エントリーシートの男女欄、どちらに丸をしよう、男女のスーツどちらを着ようかと迷う。両方嫌だという場合もある。体の性別と違う性別で就活していいのかな、という疑問もある」
就職後、福利厚生で同性パートナーが家族と認めてもらえるのか。ハラスメントが起きた時に対応してもらえるのか。
こうした疑問を企業に問い合わせたり、周りに相談したりするのは、簡単なことではない。カミングアウト(自分のセクシュアリティを告白すること)につながりかねないからだ。
面接では、LGBTというアイデンティティに基づく志望動機や、LGBTの社会活動に取り組んだ経験も、カミングアウトしないままだと説明しにくい。
一方で、逆にLGBTだとうち明けると「帰れ」と言われたり、セクシュアリティについての説明を求められ、それを話すだけで面接時間が終わってしまうケースもあるという。
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